琵琶湖疎水の涼やかな水流に沿って ふたり寄り添って 僕らは歩いた。 北は銀閣寺から 南は南禅寺へと続く小道『哲学の道』 沿道に植えられた桜の新緑が眩しい。 きみの笑顔が嬉しい。 先の出来事をきっかけにして ふたりの距離は近づいたように感じた。 道中…
「あなたのこと許すわ」 と彼女は言った。 「でも許さない」 と彼女は続けた。 「ワンピースのことを 黙っていたことはもういいわ 許してあげる。 私があなたの立場だったとしても もしかしたら言い出せなかったかもしれないから。 でもね、 だからといって …
「どうして教えてくれなかったの!?」 彼女は怒鳴った。 怒髪が天を衝く勢いで怒鳴った。 その小さな身体のどこから? いったいどこからそれだけの声量が生み出されているのだ? 拡声器でも付いてんの? 喉に拡声器でも付けてんの? 実はアンドロイドなの?…
僕は彼女に珈琲をかけた。 そして、僕らの時間が止まった。 自身の身に起こったことを 彼女は理解出来ないでいた。 いや、違う。 何が起きたのか 事象としては分かっていたはずだ。 今日、初めて会った男に 珈琲を掛けられたのだ、唐突に。 だけど、どうして…
完璧だ! 恐いくらいに完璧な作戦だ! (この作戦を完璧だと信じていた自分が 本当に恐い(^-^)) この計画が上手くいったら 彼女は間違いなく僕に惚れる! 惚れてしまう! いやはや、まいったぜ! 心はすでに有頂天!! 僕は今回の作戦を 『今夜あなたにLOVE…
さて、話を前回の冒頭に戻そう。 僕がブレンドを睨んでいたのは 現状への不満が理由ではない。 (はやく冷めろ) そう念じていたのである。 いや、違う。 別に僕は猫舌ではないし 熱い珈琲は好物だ。 「だったら何故 珈琲が冷めるのを待ってたの?」 ふふふ…
京都大学北門前にある 『進々堂』という喫茶店で 僕はブレンドを睨み。 彼女はうっとりとした表情を カフェラテの泡の上に浮かべていた。 日本の未来を担う京大生が こぞって訪れるという噂の進々堂。 その店内は、実際に歴史が古いのか はたまた、そう思わ…
彼女の白いワンピース 天使の羽のように白いワンピース そのお尻のところが。 濡れてる。 赤く。 血だ。 ワンピースの臀部の部分が血で真っ赤!? 「Oh my God!!」 「なんてこった!!」 僕は叫んだ! 胸中で。 こんなとき、一体どうしたら良いのでしょう…
彼女は白いワンピースを着ていた。 初夏の日差しを受けて 彼女と彼女を包み込む空間は キラキラと輝いていた。 「はじめまして」 お互いに照れつつも初見の挨拶を済ませる。 実際の僕の容姿を見て 彼女がどのように感じていたのかは、わからないが 少なくと…
インターネットの とあるコミュニティサイトで 知り合った女性と 先日、京都で会いました。 今日は彼女との出会いによって生じた 嬉し恥ずかしの出来事について語ります。 『恋愛とはなにか? 私は言う。 それは非常に恥ずかしいものである。』 by 太宰治 「…