第六話/下鴨神社で会いましょう。タイムフリーズ発動。


完璧だ!

 

恐いくらいに完璧な作戦だ!

 


(この作戦を完璧だと信じていた自分が

 本当に恐い(^-^))

 


この計画が上手くいったら

彼女は間違いなく僕に惚れる!

惚れてしまう!

 

いやはや、まいったぜ!

 

心はすでに有頂天!!

 


僕は今回の作戦を

 

『今夜あなたにLOVEずっきゅん♪計画』

 

と名付けた。

 


そして

 

『今夜あなたにLOVEずっきゅん♪計画』は

 

実現されることなく机上の空論と化した。

 


__事の経緯を話そう。

 

僕はブレンドを一口啜った。

 

(美味い、……これなら、いける!)

 

ブレンドはすでに冷えていた。

 


あとはタイミングを見計らって

彼女にこいつをぶっかけるだけだぜ!

 

きゃほーい!!

 

僕は興奮していた。

興奮して変なテンションになっていた。


女の子に珈琲をぶっかけるのは初めてだった。

そして恐らく、これで最後になると思う。

 

 

「興奮しない、と言ったら嘘になるっ!!」

 


今日が僕らの珈琲記念日

 

こうしてまた一つ

カレンダーに記念日が増えていくね。

 

どう思う?


こういうの。

 

なんだかとっても素敵じゃない?

 

 

(うん、素敵じゃない(^-^)否!!)

 

 

__これは後日談ですが。

 

あの時の僕は、精神が異常でした。

 

恐らく、長時間に渡って

極度の緊張状態を強いられていたせいでしょう。

 

キャパシティの少ない僕の頭は

オーバーヒートしてしまったのです。

 

だって可笑しいでしょ。

 

「ワンピースに血がついてますよ」

 

そんな簡単な一言も言えないくせに。

 

どうして、女の子に珈琲をぶっかける勇気があるんだ?

 

頭がイかれてるぜ(^-^)

 


確かに、あの時の僕は真面ではなかった。

 


それはまるで

花壇に水をやるように

 

自然に。


夏の盛りの打ち水のように

 

当然に。

 


僕は彼女に珈琲をかけた。

 


そして、僕らの時間は止まった。

 

 

 

第六話/下鴨神社で会いましょう。タイムフリーズ発動。

 

ー完ー